加工技術情報 (VA/VE)

上図は、複合旋盤加工で作成される横穴加工の一部を示しています。

複合旋盤加工は、一つの機械で旋削とフライス加工の両方を行うことができる加工方法です。このような加工法により、複雑な形状や特定の特徴を持つ部品を効率的に製造することが可能になります。

横穴加工は、図示されているように、円筒形の材料に横向きの穴を開ける加工です。これは、旋盤の主軸と平行またはそれに対して角度をつけて行うことができ、多軸制御が可能な複合旋盤では比較的容易に実現できます。加工される穴は、通常、ピンやボルトを挿入するため、またはオイルや空気の通路として使用されます。

＜加工の過程＞

1. 固定: 材料は旋盤のチャックまたはフィクスチャに固定されます。
2. 位置決め: 加工する穴の位置を決め、複合旋盤のCNC（Computer Numerical Control）プログラムによって指示された位置に工具が移動します。
3. 穴あけ: 専用のドリルビットを使用して、回転する材料に対して穴をあけます。ビットは通常、加工する材料に合わせて選択され、穴のサイズや形状、仕上がりに影響します。
4. 内面仕上げ: 必要に応じて、穴の内面をリーマーやボーリングバーで仕上げ、寸法精度や表面粗さを改善します。

このような加工を行う際には、工具の選択、切削条件（切削速度、送り速度、切削深さ）、冷却剤の使用、材料の性質といった多くの要因を考慮する必要があります。複合旋盤を使用する利点は、これらのプロセスを一つのセットアップで完結させることができるため、精度の向上や加工時間の短縮が可能になる点です。

＜加工実績＞